特集『ソード・ワールド2.5サプリメント エンシェントブルー ‐七王群島の夜明け‐』
王道ファンタジーTRPG『ソード・ワールド2.5』シリーズの最新サプリメントが登場!
『ソード・ワールド2.5サプリメント エンシェントブルー ‐七王群島の夜明け‐』は、大まかに区分すると、ストーリー型サプリメントというジャンルの最新作だ。
ストーリー型サプリメントとは、『SW2.5』をプレイするために必要となるシナリオのひとつで、その中でも長編の物語と冒険が楽しめるキャンペーンプレイを可能とするものだ。川人忠明による壮大なストーリーと設定を、本作のために用意された特徴的な舞台で楽しむことができる、シリーズの人気ジャンルのひとつだ。ストーリー型サプリメントは『グリフォンロード‐黄金のキャラバン‐』『デモンズライン‐追憶の守人‐』など、多数発売されている。ストーリーに繋がりはないため、どれから遊んでも問題なく、それぞれ独立したひとつのキャンペーンシナリオとして楽しむことができる。
冒険の舞台、七王群島とは?
『エンシェントブルー』の冒険の舞台である七王群島は、『ブルライト博物誌』でも紹介されたブルライト地方の玄関口、“導きの港”ハーヴェスからしばらくオーラントレック海を進んだところにある。
冒険者たちは、それぞれのパーティの目的を持ち、七王群島にハーヴェスから向かうことになる。
七王群島には、古代竜の棲み処や古代神の神域、さらには遥か昔に滅亡した魔法文明の時代の魔法王の遺産がある……など数多くの伝承や伝説が存在する。
現在の七王群島は海賊や蛮族など、様々な勢力により群雄割拠の状態にある。歴史に名を遺す七人の偉大な魔法王たちをもってしても、七王群島における戦乱は完全に治められることはなかった。その戦乱の裏には、邪悪な神々の思惑が潜んでいる……などとも言われている。
七王群島を訪れたあなたたち冒険者は、始めはそれぞれの目的を達成するために9つに別れた群島の海域を探索することになるだろう。 しかし、そのうちにあなたたちは、この地に根ざした闇と対面することになる。そして、目的を達成するためには、それとの対決を避けられないことも。
『エンシェントブルー』の物語を通して、あなたたちは歴史に隠された伝説を紐解き、かつての魔法王たちの志を受け継ぐ者と出会い、遥か昔から続く戦乱に終止符を打ち、七王群島を邪悪なる者から正当な者の手に取り戻すための戦いに挑むことになるのだ。
七王群島に向かう冒険者を作ろう!
『エンシェントブルー』は、1人からGMレスでプレイする可能だ。もちろん、複数人でGMを置いてプレイすることも可能になっている(複数人でプレイする場合、プレイヤー人数は3~4人が本書の想定バランスとなっている)。
キャラクターは、作成したばかりのキャラクターをプレイヤーひとりにつき2体用意する必要があることに注意してほしい(詳細は後述する)。
また、『ソード・ワールド2.5 ルールブックI』『同II』『同III』、サプリメント『モンストラスロア』の所持を前提としてシナリオは作成されているため、この4冊が必要となる。
また、サプリメント『エピックトレジャリー』『メイガスアーツ』『バトルマスタリー』があるとより便利に、幅広い遊び方ができるようになるため、可能ならこれらもあると良いだろう。
新登場! バディルール
『エンシェントブルー』では、本作のために作られた専用のルールを採用している。
それが、バディとスイッチのルールだ。前述の通り、プレイヤーは1人につき、2体のキャラクターを作成することになる。それらを、時折スイッチしながら、冒険をすることになるのだ。基本的に戦闘などで同時に2人のキャラクターが登場することはなく、どちらか1体だけを運用することになる。そのため、ゲーム上の処理が大きく変わることはないので安心して欲しい。
キャラクターをスイッチする(入れ替える)時には、同時に特殊な効果を発揮することもできるようになっている。これにより、新たな戦略を作り出すこともできる。
ひとつのキャンペーンで、2キャラクターそれぞれの成長を楽しめることや、1キャラを運用する時ではなかなかできなかった特化ビルドを試せることなどが大きなポイントだ。
ただし、『SW2.5』を始めたばかりの方は、2体のキャラクターを作ることが負担になることもあるだろう。そういった場合でもサンプルキャラクターを使用する、『キャラクタービルディングブック』を使った作成をするなど負担を軽減することは可能だ。
七王群島の冒険へ!
『エンシェントブルー』の冒険の舞台となる七王群島は、9つの海域に分けられ、海域内にはそれぞれ複数のエリアが存在する。一部を除いて、エリアはランダムで配置されるため、冒険者ごとに異なる七王群島を冒険することになるのだ。大きな目的や導入はある程度決まっているものの、そこからの冒険の過程はあなただけのものとして楽しむことができるのだ。
違うセッションで『エンシェントブルー』を楽しんだTRPG仲間がいるならば、是非それぞれの冒険での出来事を語り合ってみて欲しい。共感できるところはありつつも、全く違う展開に驚くこともあるはずだ。SNSなど誰もが目にできる場所では、これから『エンシェントブルー』を遊ぶ冒険者のためにもネタバレの配慮は忘れないようにしつつ、感想や冒険の出来事を共有してみてほしい。
七王群島のエリアの種類は合計30種類以上と、様々な場所での冒険を楽しむことができるようになっている。ここでは、その中のいくつかを特別にイラスト付きで紹介しよう。
浮上する都市
その森は、かつては高地にあったが魔法文明崩壊時の地殻変動で低地となり、海からの潮の流入によって水没していた。
この森の奥深く、海水で形作られた湖の底に、古代の都市遺跡が眠っているといわれている。
流氷の入り江
どういうわけか、この入り江だけは常に流氷によって覆われている。入り江の奥には、氷漬けにされた都市の廃墟が横たわっている。
自由港
海に大きく迫り出した強固な城壁に囲まれた城塞都市だ。その港には、多くの船が出入りしている。また、近海には警備艦隊が巡回している。ここは、自由の港。自由と商いを愛する者たちによって築かれた七王群島随一の都市である。
2023/04/19公開 2023/04/19更新