ソード・ワールド2.5サプリメント
星座の町サイレックオード

著者：北沢慶／グループSNE
カバーイラスト：大熊　まい
半径：B5版

無数の浮遊岩を渡り歩く冒険へ！　星と石の空を往くワールドガイド第３弾！

どれから始めてもOK！　あなたの好きな冒険の舞台を選べるワールドガイドに第３弾が登場。空に数多の浮遊岩が浮かぶサイレックオードの冒険へ！　２本のシナリオに加えて、この地の冒険を彩るデータもサポート！

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サイレックオードは、ウルシラ地方南部のハールーン魔術研究王国の南西の端に位置する都市です。王都からはほど近く、すぐそばにセブレイ大樹海が迫っています。

サイレックオードの最大の特徴は、都市を構成するほとんどの土地が、空に浮かぶ浮遊岩であることでしょう。最大の浮遊岩を中心に、存在する大小さまざまな浮遊岩全てをひっくるめて、サイレックオードというひとつの都市となっています（ただし、現代のサイレックオードにおいては、地上にできた玄関口となる都市も、サイレックオードの一部とみなされています）。
ソード・ワールド2.5の舞台であるラクシア世界においては、城塞都市が一般的ですが、それとはまったく異なる趣を持つ街が、この“星座の町”サイレックオードなのです。

サイレックオードを構成する浮遊岩は、人が住む者を星、そうではないものを石と呼称しています。本書で設定されているものだけで、10個以上もの星と石は存在しています。
浮遊岩として別たれた土地であるため、それぞれ異なる背景を持ち、違った環境に置かれています。ひとくくりにサイレックオードといっても、星や石によってその環境は異なるため、星を渡るたびに、新たな発見があなたたちを待っています。
さらには、浮遊岩で構成されているため、「まだみつかっていなかった」「知られていなかった」新たな星や石を登場させ、自分たちだけのサイレックオードの冒険を遊ぶことも可能です。

本書のために完全新規に設定されたサイレックオード。新しく、広がりのある冒険の舞台を、是非とも楽しんでください。

非常に特殊な環境下にあるサイレックオードのことを説明するには、歴史の話は避けて通れないでしょう。

サイレックオードの起こりは、かつて栄えた魔法文明時代に遡ります。ある魔法王の下、隆盛を誇ったレックオード浮遊岩国です。
それ以前から、当時レックオードと呼ばれた巨大な浮遊岩は存在していたとされています。
しかし、ある出来事により、ひとつの大きな浮遊岩だったレックオードは砕け割れることになりました。

砕けたレックオードの欠片はそのまま空中に留まります。浮遊岩の内部の豊かな資源に目を付けた人々により、浮遊岩はケーブルで結ばれ、採掘がおこなわれることになりました。
やがて、人々が暮らすようになり、最大の岩であるガザトオリコを中心としたサイレックオード浮遊都市群が生まれることになります。
豊かな資源と背景に、魔法文明の次の時代、魔動機文明時代にサイレックオードは大きく栄えていくことになります。

しかし、それも永遠には続かず、魔動機文明を終わらせた天災と蛮族の大侵攻〈大破局〉が起こります。
既に資源を掘り尽くし、魔動機文明の技術で空中に浮かんでいたガザトオリコは〈大破局〉の際に地上に落着し、それを足掛かりにサイレックオード自体が蛮族の侵攻を受けることになります。
蛮族に荒らされたサイレックオードは放棄され、時代が現代へと移り変わる中で、忘れられていくことになりました。


そして現代、ある冒険者が再びサイレックオードを見つけ出し、苦労の末、再びガザトオリコは空へと浮かび上がることになりました。
それを中心に、空中にあった数々の浮遊岩も再び見つけ出され、サイレックオードはかつてには及ばないものの、再び発展を始めつつあります。

しかし、その発展もまだまだ途上にあります。
どこかに眠っているかもしれない魔法文明の遺産や、空にあったが故に〈大破局〉を免れた一部の星、落着により崩落してしまったガザトオリコの区画……サイレックオードには、冒険者が探索すべき場所や謎ががまだまだたくさん詰まっているのです。

本書では、サイレックオードの冒険を楽しむために必要な新たな乗り物（騎獣）やアイテムが追加されています。
これらの新しいデータを使うことで、さらにサイレックオードの冒険を楽しむことができます。